令和7年度 大学入学共通テスト 実用的文章についてのメモ

共通テスト国語、新大問の「実用的文章」。文章を読んだ後の「レポート」を修正・加筆していくという形式は、令和4年度追・再試験の論理的文章以降にすでに見られている。これに、データの読み取りを加える形で今回の実用的文章の大問は構成された。大学入試センターが2022年11月に示した「試作問題」から大きく逸脱するものではなかったが、リード文や資料、設問で用いられている語句(例えば「根拠」「課題」など)を見落とすと、袋小路に入り込む危険性がある。
大問1つ増で試験時間は10分しか増えないという枠組みの中で、時間逼迫を回避するためか、全大問にわたって殆ど4択に。さらに、論理的文章及び文学的文章で複数テキストによる出題がみられなかった。ただし、有ったものが無くなったことで、両大問の「着地」が丁寧にできているのかに疑義が残る。論理的文章の問6、「サファリパーク」と比較されているものが各選択肢でバラバラなために、文章全体のまとめの問題としてややしっくりこない。文学的文章は(詩人が書いているからそうなるのだが)詩のような文章で、テキストが含み込むものが豊かであるが故に、問7は何らかのサブテキストがないと読みの方向性を定めづらいのではないか。例えば、タイトルが「繭の遊戯」だから、「繭」に関する簡単なサブテキストを配置するという方法もあったろうが、上述の「枠組み」の都合から難しかったのかもしれない。

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