愛さずと雪に誓えば
喘息の調子が2018年の水準まで悪化している。
「ニンゲンは自分の見たい現実しか見ない」と誰かが言った。
ネット上のUNDOはきかないのに、
40を過ぎてから流浪の旅に出た私。良くも悪くも、己のエネルギーを眼前のことに全部振りしてしまう質。それで何度失敗をしてきたことだろう。今度こそは大人しくと仮面をかぶっても、三つ子の魂ナントカ、半年経てば喧嘩っ早い本性が顔を覗かせる。そして、軋轢を生じさせる。先日は自分より若い人に助けてもらうという体たらく、羞恥のあまり一晩中のたうち回った……自分が、嫌いだ。
ニンゲン、目線が近くなったり熱くなったりすると、碌なことはない。自分は正しいと錯覚し、およそ妥当性に欠ける正義や理屈やを振りかざす、そしてすれ違う……そう、愛するからいけないのだ。愛するから熱くなるのだ。人を愛するな、自分を愛するな。誇りなど持たず、執着せず、課せられた最低限だけをこなして、それで食えるならいいじゃないか。見えない悪魔はそう、私に囁きかける。
ニンゲンは嫌いだと断じ切れないまま、自分を諦め切れないまま、今年も年の瀬を迎えた。激しい咳は残された時間が長くないことを告げている。「答え」は、見つかるどころか霞んでいっているようにさえ感じる。尽きない思念に翻弄されながら、今日も、雪の長崎道をひた走っている。