青春の杜に(近況報告)
たった2年でまたもや転職。「現代の藩校」たらんとの気鋭を持つ杜の学び舎を私は、選んだ。ここで、新たなる青春を謳歌する。
教員24年目にして初の(念願の)中学生担当。思いを真っ直ぐにぶつけてくる若い人たちのエネルギーに圧倒されてはいる、が、毎日楽しくて仕方がない。寸劇を作って授業で上演してみたり、漢字のオリジナル問題集作成に生徒と挑戦してみたりと、「初めて」を満喫している。一方では、高校生に話すよりも分かりやすい言葉を選べないと、伝えたいことを届けられない難しさも味わっている。修行だ、修行だ。
図書館がかなり充実している。鳥のさえずりが響く葉隠の地、朝、薄明かりの中で意中の一冊を紐解けば、心は直ちに落ち着く。「お宝探し」にも最適、よりよい「作品」を差し出せるよう、勤しみたい。「武士道とは、死ぬことと見つけたり。」
新聞部の顧問に名前が入っていた(私の経歴を知る方が便宜を図ってくださったと聞き及んでいる)。前任校には、新聞部があるとの情報を得た上で赴いたのだが、唐津に行ってみて初めて、廃部がすでに決まっていることを知った(面接の時に言ってほしかった)。久しぶりに「記事の添削をお願いします」と言われたときの私の心の動きよ、高鳴りよ……大濠高校時代、学校新聞がより良い学校社会を作るに大きな役割を果たしうることを生徒とともに味わった。どれくらいの力が残っているのか自分でも正直分からないが、若い人たちが望むのならば、私の持っている僅かばかりを、そっと差し出したい。
「後期高齢者」となった父は、3月、さらなる転職の報告を息子から受けて、(案ずる気持ちからではあろうが)受話器を荒々しく置いた。まあ父の性格からして当然の反応だろう。以降、碌に会話もできていない……偶然重なっての転職と思われたものは、実は必然だったと思えるように足掻こう。そうすれば、赦しを得る日がいつしか、来る。きっと。