潮騒を友にして

前任校での最後に、甲子園取材という大きな為事が舞い込んだこともあり、結局3月中に完全に整理することはできなかったので、物をアジトに押し込んだままにしていた。今日(2021年4月11日)、久しぶりにアジトに赴いて、片付けに勤しんだ次第である。

「アジト」……終わったことだから明かせるのだが、次々と舞い込む為事に忙殺され、にっちもさっちも行かなくなった際、学校至近に借りた小さい部屋のことだ。もう6年ぐらい経つだろうか。第一に物置として機能していたし、どうしても仕事が終わらず帰れない時には、泊まり込んだことも正直、あった。

散らばっていた書籍やプリントを手に取ると、過去のあれやこれやが立ち上がってくる。一方で、どれだけ捨てても片付けのはかがいかないので、こんなにも膨大なモノを抱えていたんだと改めて認識した……何が正しいのかなんて誰にも分かる訳はないのだが、今回の自分の決断は、人生後半に向かう中で、「一番大切なもの」ともう一度じっくりと向き合うための、選択肢の一つではあったのだと思う。

初めての講義、企図していたように展開できたことで、心の落ち着きを取り戻せたと感じている。失ったさびしさは消えないままであるが、それを消し去る必要もないだろう。潮騒を友に、私は新しい一歩を、踏み出した。

虹の松原を昇る太陽

 

 

 

 

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