「心」をもらって(2012年、石巻焼きそばのこと)

門脇小学校前で観光協会の方から説明を聞く(2012年)

宮城県石巻市の高校生が、海の魅力を伝えるサイダーを作るということで、クラウドファンディングに挑戦していると知った(サイトはこちらをクリック)。このプロジェクトを行っている団体の源流は2012年に遡る。若い人たちと東北に取材に赴く際、この団体にも取材したいと度々検討はしたのだが、未だ実現できずにいる。ここに、かつて石巻を訪問した際にしたためた駄文を置くことで、ささやかながら応援としたい。


この夏、生徒に連れられ東北に赴いた。旅の実現には多くの大濠人の支援をいただいた。改めて感謝の意を表したい▼忘れられない一コマがある。石巻の知人に市内を案内してもらった。取材が終わって、列車に乗り込もうとした私たちに、先程別れたはずの知人が駆けてくる。息を弾ませながら「これ、名物だから、食べて」差し出されたのは、地元のB級グルメだった。自分にも何かできることはないかと考えての旅だったのに、心をもらったのは逆に私の方だった▼先日、通勤途中のラジオから聞こえてきた言葉。「誰も見ていない野球の試合で、フェンスに激突してまでファウルボールに飛びつこうとするでしょうか。関心を持ってもらうことが、人の活力源なのです」陸前高田市長である戸羽太氏の声だった。福岡のラジオにも断続的に出演して、東北の声を伝えているらしい▼正直に懺悔すると、自分を犠牲にしてまで人のために尽くすほどの精神を私は持ち合わせてはいない。しかし、関心を持ち続けるだけでも少しは人の支えになるというのなら、実践し続けたい。彼が私に向かって差し出したあの手が、あの声が、時が過ぎた今でも忘れられない。

2015年、石巻再訪では石ノ森萬画館に遊んだ

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