2021年の初めに(覚悟ならないこともない)

年末年始は例年、バスケットボールの取材に東京へ飛んだり、実家に帰ったりするのだが、往来自粛要請もあり、自宅や職場で少しずつ、少しずつ為事をしていた。12月までに溜め込んだ為事をいくつか済ませ、本を整理し、プリントをシュレッダーに抛りこんだ。冬休みに入る直前になって、割と負担の大きい宿題を突然出されて、3,4日ほど時間を費やした次第である。

昨年4月末に盟友が職場を去ってから、国語科の中で私にかかる負担は一層大きくなった。前にも書いたが、この状況は私にとっても周りにとっても不健全だ。為事をもらえるのはありがたい。が、これでいいのか。断続的に求められるアウトプットに対して、手持ちの武器を使い回しながら応対している、というのが実情だ。「本当の勉強」からは程遠い。一方僭越ながら、他の方々からそれだけ、機会を奪うことにもなっている。もはや長くはいられないという思いは日増しに強くなっている。

この1月からは授業で夏目漱石『こころ』を扱う。もちろん、3年前に扱った時のメモが残っており、それを見ればなんとかなるのだが、もっと深いところにいきたいという気持ちがあるので、年始から本屋をへめぐって材料をかき集めた。中には、「コロナを経て『こころ』を読み直す」と銘打っている新しい書籍もあった。長く読まれている「名作」は得てして、時代に応じて読みが変容していったり、多義的な読みが可能な部分を有していたりする。その世界に迫りたいのだ。

実は昨年末、長年請け負っていた為事から離れた。日程がタイトな中でどうしてもやっつけ仕事と化している感が拭えず、じっくりと沈潜できることに取り組みたい、という気持ちが大きくなっていた。一方で、このブログを読んで私に興味を持ってくださった方がいて、新しい為事をくださった。半年ぐらいかかってもよいという許可が出たので、まずはインプットに努めて、レディネスが十分にできてから書き始めたい。初の共通テストも間もなく実施される(無事に実施できる状況となることを祈るしかないが)ので、なるべく速やかに私なりの所感をしたためて、皆さまの御批正を仰ぎたいと思っている。

「パラレルワールド」は今しばらく私たちを苦しめるだろうが、2021年は深く、深く潜って、飛び出すための力を蓄える。その覚悟を確認するために、この文章を書いたのだと思う。

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