ファシリテーターとして(バスケットの記憶/アレオレの歌)
インターハイ県予選の時期である。今日もBUMP OF CHICKENをBGMに車を飛ばし、バレーと剣道の取材に行った。
時間が経った今でも、思い出して、熱い気持ちになる。前任校、前々任校ではバスケット部の顧問をしていた。素人から始めたが、6年間関わるうちに、どんどんはまっていった。素人ながらに審判の真似事までするようにもなった。誤審しまくりでいつも叱られたが(だって元々運動苦手なんだもん、私)。
素人だから「指導」はできない。でも、部員たちは強くなりたいという気持ちを持っている。悩んだ挙句に、若い人たち一人ひとりに「どう攻めたいのか」「どう守りたいのか」を聞いてみることにした。すると、それぞれ考えていることが違うと分かった。そこで部員たちに集まってもらい、ズレがあると指摘し、ベクトルをそろえるために話し合うようお願いした。その後、ことある毎に、そのやり方を繰り返した。部はどんどんと活気を帯びていった……私はたぶん、「ファシリテーター」だった。
それよりもさらに昔の話。初任校で、自分よりも国語が得意な5人の生徒と、10日間、東京大学国語の研究をすることになった。当時の私は今よりも輪をかけて未熟で、とても「教える」だけの力はなかった。そこで、各予備校の解答、各生徒の解答、私の解答を突き合わせて、どれが良いかを徹底的に話し合うというスタイルをとった。その10日間は午前3時出勤というトンデモナイ日々だったが、楽しかった。とにかく楽しかった。いまでも鮮明に思い出す。その日々が、教員としての私のスタンスを決定づけたのだと、振り返って思う。
今日、体育館で若い人たちのほとばしる思いを浴びているうちに、かつてゲーム中に若い人たちと歌ったあの応援歌が、脳裏に流れた。
「ともに歌おう アレオレ アレオレ」