「居場所」のこと(フリースクール/学校)
以前から、人の居場所に興味があった。20代の頃にはフリースクールで働きたいとも考えたことがあって、「フリースクール全国ネットワーク」(https://freeschoolnetwork.jp/ )の全国大会(「日本フリースクール大会」)に出かけていったこともある(2回目にうかがった時には、大田堯さんの話を聞く僥倖にも恵まれた)。
その全国大会のあるプログラム内で、あるフリースクールの運営に携わる人が次のように話した。「自分のところに通っている子たちも、いつかここから出て行ってしまう。行かないでほしい、帰ってきてほしいという気持ちがある」と。心情としては理解できるが、一方で私は違和感も覚えた。そこにいるか/いないかを決めるのは子ども達である。その節度は大人として持っておくべきはないか。紙一重の考え方の違いなんだろうが、私には大きな違いに思えたのだ。
…ずるずると「学校」に勤め続けて20年が経ち、私もいつしか40代に突入している。「学校」も子どもたちの大切な居場所である。だから、そこに務めている以上、より良い場所にすることを常に考えなくてはいけない。それを根底において、クラス運営も、部活動運営もしているつもりだ。もちろん、子どもたちと一緒に考えるという姿勢のもとに。
正直に言うと、これから長く「学校」にいるつもりはない。今までとは別な、ひとが心地よいと思える「居場所」の運営に関わりたいという思っている。ただ、これまでそういう方面の勉強をサボってきたせいで、頭の中のレディネスがまだ十分ではない。昨夏に大切な同志を失ったこともあって、長年の夢を実現できるのかは一層不透明になった。ただ、まだ私は諦めていない。どこで、誰を対象にして、どんな場所を作りたいのか、空いた時間を見付けて真剣に考えていかないと。